婚約破棄、お断り。

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お皿洗いをしていると、
流星がワイングラス片手にキッチンまで来た。


カウンターに肘ついて、なぜか余裕そうな顔して
私を見る。




『…なに』


「別に？」


『流星』


「なんでしょう」


『あんた何杯飲んだの』


「知らないって、そんなの。

いちいち数えてるわけじゃないし。」




標準語。酔っている証拠。





洗い物が終わったので、タオルで手を拭き

もう一杯ワインを注ごうとしている彼の手に触れる。




『飲みすぎ。』


「だいじょぶだって。」


『明日も仕事でしょ』


「明日日曜。」


『ううん 、火曜。』




もうっ。ほんと適当なんだから。


彼の手からワインボトルを奪い取り、
今日はもう寝ようよと諭せば

じゃあAも一緒に寝ようと
ボトルを持っている方と反対の手を繋がれ、
そのまま寝室まで直行しようとする。





『だめ。私まだお風呂入ってないんだから。』


「おー了解。」



了解と言っているのにも関わらず、
手を離そうとしない。

不思議に思いつつ、おやすみと言えば



「は？」



決して私は間違っていないと思うんだけど。


なぜか、お前何言っちゃってんの？みたいな顔で
見つめられ

口を開いたと思ったら






「一緒に入る流れやろ、これは。」



って。



いつの間にか戻った関西弁。

酔い覚めるの早っ。









と、感心している場合ではない。





『流星もう入ったでしょ』


「ええやん、別に」





有無を言わさず、俺様感満載で
お風呂場まで腕を引かれちゃ、


もうどうしようもない。







こんなことなら私ももう2杯くらい
飲んどけばよかったかな、なんて考えながら

一日中きっちりまとめていた髪をほどいた。






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