小瀧くんの専属××

Secret38 ページ38

．




柚「A、望のヘアメイクやろっか？」



重岡くんのセットをやっていると、
不意に、柚に声をかけられた。


桐山さんと神山くんのセットが終わって暇らしい。




『あ、お願い！』



ちょうどよかった。

どうやって話したらいいかわかんないし。









照「え、柚ちゃんも望呼びになったん！？

みんな、仲良くなりすぎちゃう！？

俺も入れろや！笑」





桐山さんの言葉で、はっと気づく。



そういえば柚には熱の間、

望の専属を頼んだんだった。



きっと、今まで以上に仲良くなったんだろう。


望呼びにも納得。





望「俺らやって、いろいろあんねん笑」




その一言で頬を赤らめる柚は

とても可愛らしくて。







恋、してる顔で…








でも、望が好きなのは綾乃先輩だから

柚の恋は叶わないと思ってた。









．









．






ニコニコと笑顔を振りまいて撮影をする彼らを
見守っていると




綾「A」



彼の恋人、綾乃先輩登場。




別に、恨んでない。

綾乃先輩のことだって、大好きだもん。




『ん？何？』




柚は今いなくて、二人きり。

綾乃先輩は周りに人がいないか確認してから、
決意したように言った。





綾「私、のんちゃんとAが付き合ってること、知ってた。」





『………やだな、やめてよ笑

彼氏とはもう別れたし、望でもないから。』







綾乃先輩の顔が、

確信したように優しくなって









綾「望？小瀧くん、じゃないの？」









また、はっとする。




柚につられた。





もう、この際言ってしまおう。


そして、笑顔で

望は先輩に返します、と言おう。







『…うん、付き合ってた。

でもね、他に好きな人がいるみたい。』



綾「私とはっ！」








"別に、何にもないから！

私は流星のことが好きだし、その事でいろいろ相談してたの。"








なにこれ。予想外。







好きな人は綾乃先輩じゃない。




じゃあ、誰？









"俺らやって、いろいろあんねん笑"









…誰でも、いいじゃない。







元カレの好きな人なんて、知らなくていい。









その人が例え、





親友、だって






気にしなくていいんだから。

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