小瀧くんの専属××

Secret22 ページ22

重岡side




歓迎会の次の日、

難しい顔して俺に近づいてきた君を見て、咄嗟に

笑わせな、って思った。





きっと、俺が傷ついているんやないか、って

悩んだんやろうな。





逆に、傷つけたのは俺の方やで。





どこまでも優しい君が

大っっっっ好きやわ、ほんま。









.









.







でもなぁ、今日、楽屋から出ていった2人を

心配そうな目で見つめる君を

俺は見逃さなかったで。








小瀧、やんな…



重「Aちゃーん！早くやってやぁ！」




『っあ、ごめんなさい』




重「…気になるん？」




『どちらかと言えば、綾乃先輩の方が』





誰も、どっちが気になるか、なんて聞いてへんよ。





無意識に小瀧を避けている君。




彼女を俺らに見せようとしない小瀧。





うん、お似合いやね。









…そりゃ、奪うつもりやったで？





や、今だって奪う気満々なんやけど、

生憎、彼氏が良い奴で。




ま、俺はAちゃんの相談相手ぐらいでええわ。



今は、な？









重「最近、彼氏とどうなん？」




『まずまず、ですかね笑』




重「なんや。ラブラブかと思ってたんに。」




『私、彼氏にとてもわがままで笑

でも、とっても優しいんですよ、彼。

突き放したことなんて、一度もなくて。』






笑って君は言うけれど、

その気持ちを考えたら、泣きたくてしゃーないやろな。








…小瀧。


こんな顔にさせるんやったら

容赦なくもらうで。







重「他の女がいるから、ってことやんな？」




『…ないとは思うんですけどね』




重「俺やったら、そんな不安にさせないんやけどなぁ」




『重岡くんが彼氏だったら、

どんなに良いでしょうね。』




でも、と言いかけた君の言葉は

ドアが開く音に掻き消された。







流「…望」




望「別に、なんもないから」





それ、なんかあった顔やん。




北川さんだって、顔、赤いやん。




『セット、終わりました』




Aちゃんの顔、見てみいや。




いつも以上に笑ってるやんか。

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