漂流 (黄) (ページ26)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:28,166 hit

25 ページ26

あれから数日。

じゅんちゃんから、『久しぶりに呑まへん？』とメールが来ていた。

もちろん『いいよ』と送って。

問題は、服。サチに相談したら、「この間買った服着なよ！！」と。

「正直、私に似合うか不安で…」
と言うと、
「何言ってんの、もう買ったんだし、それにね？」

サチは、真剣な顔で
「似合う服を着るのはもちろんいい事。だけど、折角女の子に産まれたんだから着たい服着ないと！もしそれで似合ってないって馬鹿にする男ならその程度なんだから」

と言った。

サチ…正直、心揺さぶられる言葉だった。

確かに、そうかもしれない。折角だから着たい服着て、もしそれでじゅんちゃんが似合ってないって笑ってくるようなら、もう友達以上には発展することは無いだろう。

勝負を決めよう。

--

じゅんちゃんとの待ち合わせの店の前にいる。
そう、もうこの服を着たからには後戻りは出来ない。正直自信はないけど、着たいものを着る。

今までじゅんちゃんの前で着てたものとはテイストが違うからびっくりされるかも。

うーん、どうしよう。

そんなことを考えていると、個室の前の扉が開いて、じゅんちゃんが顔を出した。

「うんうん唸ってるからお腹でも痛いんか思たわ笑」
「あ…ごめん。」

案の定、私の服装に少し驚いている様子のじゅんちゃん。

「A、その服…」
「あ、…似合ってない、よね？」
「な訳ないやん！やー、A、どんな服でも似合うな！凄いやん！」

と、ニコニコしながら言うじゅんちゃん。

嘘、嬉しい。