おいしい関係 番外編 （赤）

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家に着いたと同時に白石から着信。







「もしもし。」



紗『あ、もしもし。もうこっち着いた？』



「ちょうど今家着いた。」



紗『お疲れ様。』



「おぅ、ありがとう。何かあったん？」



紗『Aが昨日から寝込んでるんだけど、多分知らないだろうなあ、て思って。』



「は？」



紗『やっぱり。A昨日朝から顔色悪くてさ、本人は大丈夫て言ってたんだけど村上部長が早退させた。私も帰り寄ろうとして連絡したんだけど返ってこなかったから多分寝てるんだと思う。』



「わかった。行ってくるわ。」



紗『ありがと。様子わかったら連絡して。』



「おう。ありがとな。」








脱いだばっかのスーツを着て、財布と車の鍵を持って家を出た。








あいつなんで言わへんねん。







どうせ「出張で疲れてるから」とか言うんやろな。







イライラしながらも車を走らせて、コンビニで適当に買ってからAの家に行ってインターホンを押す。









A「…はい。」



「俺や、開けろ。」



A「え、しげ？」



「ドアの鍵も開けとけ。」









声からしてやばい感じやんけ。






ドアノブに手をかけて回して中に入る。









「入るでー。」







寝室に行くとAが横になってた。







A「何で来たの。」



「何で教えへんねん。」



A「だって出張で疲れてるし。」






予想どおりの答えやな(笑)







「熱は？」






おでこに手を伸ばして触るとほんまに熱い。






A「さっき８度５ぐらいだった。」



「とりあえずこれ貼っとけ。」






買ってきた熱さまシートを貼るとAはちょっと嫌そうな顔をした。






「嫌なん？これ(笑)」



A「……」



「お子ちゃまやん(笑)」



A「うるさい。」






苦しそうに咳するAの頭を撫でる。






「こういうことは言ってくれた方が嬉しいねんで？」



A「…しげの休み潰しちゃうじゃん。」



「そんなんええわ別に。何のための彼氏やねん。」



A「何か気持ち悪い…」



「吐く？ちょ、待て、何か持ってくる。」



A「しげが優しすぎて気持ち悪い。」



「はあ？」



A「ありがとう。来てくれて嬉しい。」



「お前のことならすぐ飛んで行くわ。」



A「私は一旦考える。」



「おい(笑)」








冗談言える元気あるなら安心や。







弱ってる姿もなかなかくるもんあるけどな(笑)

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