west ×青II

43.赤×青 ページ2

青s inほぼ流星の心の中 (※一緒に住んでいない設定)


俺としげには、好きの大きさにかなりの差がある。




しげから電話を掛けてくれる事はまず無くて。


いつも夜になると携帯を握りしめて、しげからの電話を
待ってる。


それでも我慢出来ひんくて、結局俺から掛けてまうよな。
声が聞けるのならちょっとだけでもええのに、聞こえて
くるのは大抵留守電のお姉さんの声。




「なんでいつも繫がらへんの…。」




虚しく響く独り言。
繋がらない度いらいらしてまう。


ああ、こんなにもしげの事が好きなんや。




人に絡むのが好きなお前は、誰に対してもベタベタ甘えに
行くよな。


付き合ったら俺だけって信じてみたけど、 そうでもない
みたい。


いつも平気なフリしてるけど、やっぱりちょっと辛い。


全て愛って呼べたらええんやけど。
俺、そんなに強くなかったみたいやわ。




できれば側にいてほしくて、どこにも行ってほしくなくて、
俺の事だけをずっと考えていてほしい。


重いのなんて、そんな事自分でわかってるよ。


俺はなんでもない時、ふとした時、気付けばしげを思い
浮かべてるのに。




恋をすれば、付き合えれば、全てが楽しくなるって思ってた。


しげの事大好きなのに。
大好きなはずなのに、一緒に居ると何故か悲しい。
嬉しいはずなんやけどな。上手く笑えないんよ。


ずっとしげと歩きたかったけど、俺はちょっと早足やった
かな。




なんで告白なんかしたんやろ。


なんで俺、しげに恋なんかしたんやろ。




それでも、




赤「ごめん、電話なんやった?」


「しげ、大好き。」


赤「どしたん、急に。」




大好きと言った返事が思ってたのとは違っても、




「あいたい。」


赤「また明日仕事で会えるやろ?」




あいたいと言った返事が思ってたのとは違っても、
それだけで嫌いになんてなれへんから。




《しげがもっと、俺の事好きになってくれますように…》




柄じゃないけど星空を見上げて願ってみる。


end

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