○ ギフト ○ (ページ14)

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『マッピング、成功した』
　

オカンに電話で伝えて、メンバーにグループメールを入れた。

みんな自分のことみたに喜んでくれて、

『あぁ、聴こえるようになったんや』って実感してまた涙が溢れた。。。

俺の服の裾をギュッと握った音生の顔は不安そうで、たまらず抱きしめた。

「頑張ったなぁ。。。ホンマ。」

俺の手から離れた音生は、俺をまっすぐ見つめて、

『泣かないで。』小さな手を動かしてそう言った。

「そうやな。。。ごめんな？」

大きくなったら、分かる日がくる。

『うれしくて溢れる、涙がある』って。。。

そして、思った。

これから、音域の制限がなくなっていって、

音質も音量も音生に合ったものになっていく。

そうなれば、言葉も増えていくやろ。

けど、音生と俺だけに通じる『コトバ』があったことも、大切にしたい。。。

その中に2人で、生きてきた日々がある気がするから。

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