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「 。。。すごいな、 音生 。。。。 」
音を入れる前の内耳を 装着した状態で 一週間。
「 あ お 」 2号にも 慣れてきて 意味なく触ることも減った。
今日は、 いよいよ マッピング(音入れ)。
たぶん、俺の方がドキドキしてる。
手術を受けた病院には、 主治医と言語聴覚士の先生。
通ってる保育園と発達支援センターの先生も来てくれて。
マッピングは、始まった 。。。
一発目の音を、音生に何も言わずに流す。
(( ピッ、ピッ、ピッー 。
最終的な検査で 補聴器を付けても聞き取れへんかった 音量の音に、
音生の背中は、 小さく跳ねた。。。
「 聴こえた?? 」
ガラス越し、手話を交えた先生の声に 小さくうなずく。
「 お父さん、 呼んであげて下さい。 きっとちゃんと 聴こえます。 」
” 、、、 音生 、、、 。 ”
この日、生まれて初めて 音生が 後ろから名前を呼ばれて 振り向いた 。。。
それは、
息子の『 耳 』 に 俺の『 声 』 が届いた瞬間やった。
。。。 涙が止まらんかった。
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作者名:隣(りん) | 作成日時:2017年9月25日 23時