蝉の聲に溺れる【HQ】

わるもの。９ ページ9

？？視点

午後練も終わり、部室で着替えている時。

俺は、気になっている事を聞いた。


「日向ー」

「は、はいっ！」

そんなに驚かなくてもいいのに…。


「そういえばなんだけどさー、日向って兄弟とかいるの？」

日向はこう、弟って感じだけど…

「えっと、姉ちゃんと妹がいます！」


…やっぱり、なんだか愛らしいのは女姉妹にはさまれてるせいか。

「歳はいくつ？」

「姉ちゃんは高校三年生で、妹は小学1，2年くらいかな…あ、です！」


三年って、俺と同い年じゃん。

でも、この三年に日向なんて聞いたことないけどなぁ…

「学校は近く？…なんか質問攻めでごめんな」


少し申し訳なく思うが、日向は全く気にしていないようだ。

…しかし

「それが…わかんないんです」


途端に、日向の顔が暗くなる。

「中学卒業と一緒に、家出しちゃって…兄弟は、めっちゃ仲良かったんですよ！」

…どうやら、訳ありのようでした。

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