蝉の聲に溺れる【HQ】 (ページ47)

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わるもの。47 ページ47

午後の試合は烏野とだった。

結果は音駒の勝ちで20分の休憩に入る。

「はー、疲れた」

みんな試合疲れしているようで。

ドリンクの調整をしていると、隣に月島がきた。

「お疲れ様！あっち行かないの？」

「うるさいのに絡まれたくないんで」

…翔陽か。あいつはイラつくほどうるさいからな…私の偏見かもしんないけど。

「あ」

すると、月島はわざとらしく、少し大きな声を出した。

「？どうしたの？」

黒尾や月島、菅原に本性がバレているとはいえ、ここは他の人もいるんだ、

けっして気を抜いてはいけない。

「またやってますよ…緑川さん」

〝緑川さん〟の言葉に反応して、思わず顔をあげる。

…緑川梓は、何をしたいんだろう。

さっきから自慢してるみたいな行動をとって。

「仲良しなんだね？梓さんと菅原君」

そりゃ、スガはかっこいいと思うけど、

でも、ちろちろ私の様子を伺ってるって事は、スガが私と知り合いって事を

知ってるかもしれない。

スガが私をさける理由は、まだいまいちわからないけど。

彼女がいるから、仲良くしてると嫉妬するからとか、そんなもんかもしれない。でも

緑川梓は、普通じゃないから…きっとなんか裏がある。

「付き合い始めたのは最近らしいですけど」

…最近？

「最近って？」

「バレー部に話したのが確か…五月の下旬くらいでした」

私とスガが出会ったのはその前だ。…嫌な予感がする。

思わず左手を握ろうとして、やめた。

「そういえば、菅原さんとAさんは知り合いなんですか？」

「…なんでそう思うの？」

私が月島に向かって微笑んだ瞬間
ドン引きの顔をされたので、
とりあえず溝打ちをお見舞いしといた。