検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:10,842 hit

わるもの。25 ページ25

夕日に包まれた帰り道を進みながら、ミーティングで言われた事を思い出す。

『今度、連休に合宿がある。場所は東京だ』

東京…か。


休もうかなぁ…とか、考えている途端に、スマホが振動した。

電話だ、菅原から。

迷わず通話ボタンを押した。


『あ、もしもーし』

「どうしたの。部活は?」

『今終わったべ!んでさ、来週の連休に合宿あるって聞いたか?』


あれ…烏野も一緒なんだ。

「うん、今日聞いた。東京の…音駒でやるんだっけ」

『そうそう、また会えるな!』


「バカ、いつも家に来てるのは誰?」

なんて笑いながら話す。

『風邪引くなよ!…日向も会いたがってるからさ』


はぁ…あいつの話を持ち出すなんて、意地悪すぎ。

「あいつの話なんて滅多に自分からしなかったくせに、今日は

意地悪ですねぇ」


まあ、菅原なりに仲良くさせようとしてんだろうけど。

『それと…呼び捨てでいいべ、名前』

「…なに、呼んで欲しいの?」


『まぁ…そういうこと』

ったく、顔が赤くなってんだろうに。

「あんたは素直だねぇ、スガ」


『まあな!…あ、それと…』

そして、あいつは今一番聞きたくない名前を口にした。

『ヒナ、お前…緑川梓沙。って知ってるだろ』


みどりかわあずさ…まあ、顔見知り程度。

…なんて、大嘘だけど。

私の態度は見るからに変わった。


「そいつが…なに?」

それと同時に、左手が小刻みに震えだした。

『今の、烏野のマネなんだけど…お前、中学で同じバレー部だったべ?』


それがなんだって話。

「昔の話よ…でも、苗字が変わったのね」

『あぁ…離婚、とか』


まじかよ!?爆笑なんだけど。笑

「ふぅん?高校生にでもなって悲劇のヒロインぶってるのは変わらないのね」

嫌味ったらしくいうと、スガに呆れられる。


『お前なぁ、俺の前だからいいけど…って、俺の前でしか言わないか』


₋『どういうことだよっ!答えろ!!』₋って。

「わからないかもよ」

私も、もう…その時が来るのかもしれない。


家に着いても、左手の震えはやまなかった。

わるもの。26→←わるもの。24



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.0/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 悪女 , 檸檬水
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

めめこ(プロフ) - おもしろいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 0476555058 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 20、21抜けてますよ〜 (2018年7月19日 18時) (レス) id: 1b8b6eb8c3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼藍 ‐sora‐(プロフ) - オリジナルフラグ外してくださいねー (2018年6月18日 18時) (レス) id: bd7372bd68 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ー檸檬水ー | 作成日時:2018年6月18日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。