わるもの。 ページ2
及川視点。
誰が悪いのかは、わかっていた。
「もえ」
彼女は、余裕の笑みでこちらを振りむく。
その笑顔も…今日で終わりだ。
「これ…お前だろ」
一枚の写真を見せると、彼女は有り得ないとでもいう様な顔をした。
「なに、これ…誰がやったんですか」
写真に写っていたのは、なぎさちゃんのずたずたに切られた制服。
「とぼけてんじゃねぇよっ!!」
まっきーが部室の机を蹴り飛ばす。
途端、彼女の体が飛び跳ねる。
その時、机を蹴った音を聞きつけたのか、部室にもう一人のマネが入ってきた。
「…えっ、何があったの?」
俺は写真をAに見せる。
しかし、彼女は信じなかった。
「なにこれ…なぎさちゃん、の?本人は無事なの?」
それどころか、本人の心配をしていた。
すると、もえは叫んだ。
「この人…!先輩の事は疑わないんですか!?この人が一番怪しいじゃないですか!」
もえはすごく焦っているように見える。
そんなはずないだろ。
みんなが言いたい事を俺は言った。
「……Aは、そういうやつじゃないから」
その瞬間、彼女は膝から崩れ落ちた。
私はやってない、そう呟きながら。
A視点
そう…私は、そういう人じゃないから?
貴方みたいに、信頼が薄くないのよ。
私は、絶対的に信じられている。
その時点で、もう負け確でしょ?…なぎさも、ね。
誰も居なくなった部室。緑川もえは、部活をサボって去っていった。
寂しくなった部室に、不吉な笑みが零れた。
「…ばかみたい」
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めめこ(プロフ) - おもしろいです。続き楽しみにしてます (2018年8月6日 14時) (レス) id: 0476555058 (このIDを非表示/違反報告)
なるせ(プロフ) - 20、21抜けてますよ〜 (2018年7月19日 18時) (レス) id: 1b8b6eb8c3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼藍 ‐sora‐(プロフ) - オリジナルフラグ外してくださいねー (2018年6月18日 18時) (レス) id: bd7372bd68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ー檸檬水ー | 作成日時:2018年6月18日 17時