杜若-かきつばた-

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望「お名前は？」



頭を撫でながら聞く
そしたら目を細めて気持ちよさそうに答えてくれる



大「だいきっ」

望「ん、大毅な、今日は遅いからお兄ちゃんのおうち行こか？」



きっと何か理由があってここにおるんやろう
とりあえず明日警察に連れて行くか



大「お兄ちゃん、お名前は？」

望「望、小瀧望やで」

大「ん〜、こたき！」

望「ええ！のんちゃんって呼んでやあ」

大「や！こたき！！」



こりゃとんだ悪ガキやで、と思わず苦笑い



望「ただいまあ」

大「たらいまあ！」



誰も居らんけどただいまを言うと真似して大毅がただいまを言う、言えてへんけど(笑)



望「はい、まずお手手洗ってください」

大「あい！」



元気よく返事をした大毅を洗面台に連れて行く、
けど蛇口に手が届く訳もなく結局俺が抱っこして
腕を捲ってやる



望「え…」

大「くふっ」



腕を捲ったら痛々しいほどの青い痣
痣の持ち主の大毅は気にする様子もなく水で遊んどる



こんな痣、誰が…



大「こたき！終わった！」

望「あ、はいはい、」



痣を付けた人なんて分かり切っている
きっと施設の人なんやろう
それに耐えきれなくなった大毅は施設を抜け出して
あの公園におった


そう解釈すれば施設に帰るのを嫌がった事とも合致する


1つ解決したらもう1つ問題が生まれた



この子をそんな施設に返していいのだろうか

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