杜若-かきつばた-

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ゆり「あなたが大毅を保護してくれたんですか？」

望「あ、はい、ほんでここから引き取ろう思て来ました」



そう言うたら一瞬目をまん丸にさせて、でも直ぐに凄く嬉しそうな顔になった



ゆり「よかった…ほんまによかったなあ…」



涙目で大毅を抱きしめてそう言うゆりさん



ゆり「大毅くんが、暴力振るわれてたのはもう、分かってますよね？」



ゆりさんが静かに質問してきて、その問いに頷いた



ゆり「他にも暴力振るわれてる子、おるんです、
でも、なんでか大毅くんだけいっつも酷くて…」

望「なんで…」

ゆり「私にも分からないんです、でも良かった、これでもう大毅くんが暴力振るわれることは無くなるんやもんね」



そう言うたゆりさんの顔はほんまに嬉しそうで、大毅の事を大事にしてくれてたんやなって思った



ゆり「すみません、長くなってしまって、手続きあちらで行いますので、どうぞ」



そう言うて奥の部屋に通される時に、前から40代ぐらいの女の人がこちらに向かって来た



そしたら俺らの前で止まって、いや、正確には大毅の前で止まった



「なんやお前、生きとったんか」

大「…っ」



さっきまでの楽しそうな表情とは全く違う、昨日見た恨むような顔で女の人を見る大毅

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