杜若-かきつばた-

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望「ご馳走様でしたあ」

大「よく出来ましたぁ！」



さっきの俺の真似をして、けど俺の頭に手が届かへんから机の上に置いてある俺の手を撫でる(笑)



望「よっし、風呂入ろかあ！」

大「お風呂！！！」



お風呂は分かるのかキラッキラの目を見開く



望「お風呂好き？」

大「だいすき！」

望「そっかそっか」



ニコニコしながらはやくはやく、って俺の腕を引っ張る



望「はい、ばんざーい」

大「ばんざーーい！！」



服を脱がせると腕なんかよりはるかに多い傷の数々
本人は痛がる様子もないからかさぶたも取れて、消えることの無い傷なんやろう



望「大毅、痛ない？」

大「ん？痛ないよ〜」



シャワーのお湯をかけながら聞く



望「大毅はさ、お父さんとかお母さんの顔、覚えてないん？」

大「うん、覚えてない」

望「まったく？」

大「うん」



俺の問いに答えた瞬間、大毅にもこんな顔出来るんや、って言うぐらい冷たい顔になる

ゾクッとした


親を恨んでる、そんな顔しとったから



望「会いたい、とか思わへんの？」

大「思わへん、もう出る」

望「え、」



俺が止める暇もなくお風呂から出て行ってしまった



きっとこの話は大毅に投げかけたらあかんのや



大毅の抱えてるもんは親に愛されて育った俺には計り知れんほどデカいもんなんや

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