Can't stop toxic ２

51 望 side ページ7

望 side





ジャニーさんから、仕事を手伝って欲しいと依頼された彼女は。



まさかその内容が、自分たちのサポート役だということを聞かされないまま大阪に呼ばれて。



いや、なんならジャニーさんがジャニー喜多川だということすらも知らずに来たもんだから、今とても困惑しているらしい。






「マジで？ジャニーさん、めっちゃ強引やね(笑)」






そう言って笑った照史くんの言葉に安心したのか、少しだけ表情を緩めた彼女。






「ど素人のわたしにだって、この世界が厳しいことくらいはわかります。だから、皆さんの足を引っ張ることは出来ません」






ジャニーさんにきちんと断りを入れて、今日にも帰ろうと思う、と言っていた。






「そういや、君はどっから来たん？」






シゲが思い立ったように、聞く。






「仙台です」



「仙台！？これまた遠いとこから来たんやねぇ」






予想外の答えに驚いた濱ちゃんが、声を裏返した。






「おいオッサン(笑) 変な声出すなや」






すかさずツッコむと、ふふっと小さく笑った彼女。



俺の心臓が、どくん、と高鳴った。






「でもさ、そんな急いで帰らんでも、せっかくなんやし色々見てったらいいんやない？」



「おー、そうやそうや！ゆっくりしていき！」






流星、神ちゃんの誘いに、また困った顔をする。






「････でも、」



「別に邪魔になんかならへんよ！」






食い気味に俺が言うと、少し考えた彼女はまた、ふふっと小さく笑って。






「ありがとう、小瀧くん」






そう言ってくれた。






名前、覚えてくれてるんや････。








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