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Your side





舞台の最後、緞帳が降り切る瞬間まで声を張り上げ、観客に手を振る彼らを見つめたまま



喜多川さんが言う。






「素晴らしいだろう?でも、彼らはこの先もっともっと輝くと、僕は思ってる」






それを聞いたわたしは黙っていたけれど。





ウソつけ!4人でデビューさせようとしたくせに!


なんて顔を、してしまっていたのかな?







「・・・・本当だよ!」







と、なぜかムキになって言い訳をする喜多川さんが可愛く見えて、笑ってしまった。









「喜多川さん、連れてきてくれて、ありがとう」



「いやいや、喜んでもらえてよかったよ。・・・・で、仕事を受けてくれる気は?」



「それは変わりませんよ、わたしには出来ません!」






改めて、キッパリとお断りをした。





ここはわたしみたいな素人が、安易に出入りして
いい場所じゃない。




それにわたしにだって、帰りを待っている小さな舞台がある。




拾ってくれたお店のママに恩を返すまで、その舞台に立ち続けなければ、と思うから。






彼らからもらった、とっても素晴らしいパワーを胸に秘めて、仙台に戻ろう。






「今日このまま、帰りますね」



「ええ?みんなに会っていかないのかい?」







もちろん会って感謝の気持ちを直接伝えたいと思うけれど。



彼らはこれから、たくさんの取材や撮影が待っている。



貴重な時間を邪魔をしたくなかった。







「すごく素敵だったって、伝えてもらえますか?」







そう言うと、わかったよ、と眉を下げた喜多川さん。




きっと、言い出したら聞かない頑固娘だということを知っているから。




すぐに諦め、裏口まで和泉さんの車を回してもらえるように手配してくれた。









そしてその後、和泉さんの車で駅に向かい、少し寂しい気持ちを抱えながらも新幹線に乗り込んだわたし。




行きとは別人に生まれ変わったような、なんだかわくわくするような、そんな不思議な感覚もあって。




身体は疲れていたけれど、眠れないほど興奮していた。








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のの - とても面白くて引き込まれます!!更新されるの楽しみにしてます!! (2018年11月1日 16時) (レス) id: 365eb0a412 (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - Momijiさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると、作ってみてよかったなぁと思えます( ´艸`)亀更新ですが、これからもぜひ見てやってください! (2018年9月23日 14時) (レス) id: 5e11c879ce (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - たたろんちーの。さん» コメントありがとうございます!見てすぐ直させていただきました。言われなければいつまでも気づかなかったかもしれませんε-(´∀`; ) (2018年9月23日 14時) (レス) id: 5e11c879ce (このIDを非表示/違反報告)
Momiji(プロフ) - とても感動して 一気に読んでしまいましたw これからも楽しみにしてますヽ(*´∀`)ノ (2018年9月20日 12時) (レス) id: 2e55428159 (このIDを非表示/違反報告)
たたろんちーの。 - 47が2つありますよ! (2018年9月19日 22時) (レス) id: 095122a28b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カンナ | 作成日時:2018年9月19日 17時

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