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外の雨はいつの間にか止んで、静かな暗闇を連れてきた。
コンクリートを打ち付ける雨の音も、玄関先で鳴り響くインターフォンの音も、もう聞こえない。
宮世琉弥という後輩を引き連れて、俺は今日も外の暗闇に紛れていく。
二日も連続で家から出たのは約一年ぶりだろうか。
あれだけ引きこもり癖が付いていたのに、こんなに簡単に俺は家を出てしまうんだな、と内心驚きを隠せない。
「で、宮世んちってどこ」
引き連れてとは言ったものの、俺を先導するのはこの宮世君だ。
小さな声で、「こっちです…」とか、「ここ、曲がります…」とか、何とも心もとないナビゲートをしてくれる。
その顔にははっきりと、「何で付いてくるんですか、放っておいてください」と書かれているのは、俺にだってわかっている。
けれど、今の俺にはそんなことはどうでもいい。
放ってはおけない、ただそれだけだった。
しかしながら、内気な感じの彼だったけど、あの時、俺の家を出ようとして、インターフォンが鳴り響いたとき、こう言われた。
「もしかして、例の人じゃないですか？出ましょうよ？そして、謝りましょう？」
彼は、俺の背中を押してくれたんだ。
決して力強くはないけど、それでも、俺の惨めな背中を、そっと押してくれた。
「……無理だ」
それなのに俺は、結局勇気が出なくて、インターフォンの音が聞こえなくなるまで、その場から動くことはできなかった。
過去のしょうもない過ちと、反省と、謝罪を伝えるせっかくのチャンスを、俺は棒に振った。
情けない。
どうしようもなく、小心者だ。
そして、「話長くなったら、宮世君のパンツ、取りに行けないだろ…」なんて、どうでもいいような理由を付けて、言い訳にして、また逃げ出してしまったのだった。
「もうすぐ着きます…」と、俺の斜め後ろでうつむきながら小さな声で、彼がつぶやいた。
そんな俺がこの宮世君を放っておけないとか、確かにそんな先輩風を吹かされても迷惑極まりないのかもしれない。
「なぁ、東北っていいとこ？」
俺は、少し自分の中で話題を変えたいのもあったし、宮世君がずっとうつむいてるのも見かねて、そんな話題を振ってみた。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
