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きっと、僕なんかよりも辛い思いをしている人は沢山いるのだろう。
僕の悩みなんて、ほんの小さなことなのだろう。
でもね、僕はそんな沢山の人も、小さなことも、知る由もない。
僕が見て、聞いて、体験して、感じたことしか僕にはわからない。
そして、僕にはそれが耐えられない、ただそれだけの事なのだ。
だから僕は、今から、この自分にしかわからない辛さから、逃げようと思う。
「お父さん…お母さん…。さよなら…」
少しだけ迷ったけど、少しだけ怖かったけど、仕方がないから、そうつぶやいて、足場の脚立から飛び降りた。
支える物が無くなった僕の体は、重力に従って下に落ちる。
脚立も今の衝撃で倒れてしまって、もう僕の足も届かない。
そして、首に通したロープが、僕の全体重を受け止めた。
首が裂けそうな痛みと共に、ロープが僕の首に食い込んでいく。
苦しい。
苦しいよ。
息もできず、もがいても、ただロープが首を絞めつけるだけ。
段々脳に血が廻らなくなり、酸素が足りなくなり、視界がぼやけていく。
それはきっと、目から溢れ出す涙のせいだったからかもしれない。
しかし、もう僕には、そんなことを確認するだけの意識も、感情も、何もかも無くなって、だらんと垂れさがった四肢が、木の枝を支点に左右にゆっくりと揺れ動くだけだった。
やがて、目の前の景色が真っ白になり、その向こうで、お父さんとお母さんが、僕に「さよなら」と手を振っているのが見えた気がした。
僕、宮世琉弥の仕方ない人生は、こうして、あっけなく、幕を閉じたのでした。
めでたし、めでたし…。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
