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俺は何こんなに熱くなってるんだ。
佐野の胸倉なんか掴んじゃって、こんな大声出して。
でも佐野は、そんな俺とは裏腹に、何か悟ったような、穏やかで、さっきよりも冷静な表情を浮かべている。
それがますます気に入らない。
何すかした顔してるんだ。
何全部を理解したような顔してるんだ。
何もわかっていないくせに。
何もできないくせに。
「ごめん、太智。教えてくれてありがとう」
そう言いながら、佐野は優しく俺の手を掴んだ。
俺はこんなに力を入れてるのに、その優しい手は、こいつの胸倉から俺の手を軽々と引き離していく。
何なんだよ。
俺は、こいつに勝てるところなんて、何一つないのかよ。
やっぱり、俺は、こいつには一歩も及ばないのだ。
及ぶはずがなかったんだ。
だってこいつは、今の話を聞いても、画像を、動画を見ても、ちっとも―
「仁人、立てるか？」
今までと変わらず、佐野は吉田に近寄って、抱き起して、肩を貸そうとしている。
「なぁ、仁人。今の話、本当か？」
佐野の問いに、吉田はただ押し黙って、涙を流しながらうつむいていた。
「仁人…。俺は、お前の口からちゃんと聞きたい」
「……。佐野君…」
弱弱しくつぶやく吉田は、見るに堪えない。
佐野も残酷なことをする奴だ。
それを聞いても、どうすることもできないくせに。
吉田に何もしてやれないくせに。
「塩��君の言ったことは…全部本当だ…。
俺は、佐野君が…好きで…好きで…たまらない…。
いつだって…どんな時だって…佐野君のことしか考えられない…。
胸が張り裂けそうなぐらい、頭がおかしくなるぐらい、佐野君のことが頭から離れない…。
それに、あの動画だけじゃない…佐野君の事想像しながら、妄想しながら、何度も自慰行為だってしたことある…。
駄目だって、分かってるのに、自分でも止められなくて…。
本当に…気持ち悪いよね…。
男に好きになられて、しかも…知らないところで、そんなことされてるなんて…。
謝って済むわけないけど…本当に…ごめんね…」
「仁人…そうか…」
さぁ、佐野、分かったら、もうこいつに変な気を持たせるなよ。
気持ち悪いってちゃんと言って、突き放して、現実を突きつけて、とっととどっかへ消えてしまえばいい。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
