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やはりやめておけばよかったと後悔してももう遅い。
板垣先輩は足を引きずりながら俺の隣をついてくる。
俺も何が何だかわからないまま走り出してしまっていた。
先輩が言うには、俺と同じ高校の『宮世琉弥』という一年坊やを見つけるのを手伝ってほしいということだった。
会ったこともなければ顔も知らない相手を探し出せとは、これまた無理難題を出されたもんだ。
しかしどうやら、その宮世君とやらは、死のうとしてるという。
そんなことを聞かされてしまったら、断るわけにもいかないじゃないか。
このままじゃ、朝練には間に合わないな。
そもそも、授業にすら間に合わないかもしれない。
そうなったら、もう本当に、絶対に、一生この先輩の事を恨み続けてやる。
そんなことを思って板垣先輩の方を振り返ると、彼はサッカーをやっていた時以上に真剣な表情を浮かべ、辛そうに顔をしかめながら一生懸命に走っていた。
そんな表情をされたら、まるで俺が極悪非道人みたいではないか。
「で、その宮世君ってどんな子なんですか？先輩とはどういう知り合いです？何か特徴は？」
「え？三日前に公園で偶然会って友達になった。特徴は…あの、あれだよ…。なんか目がでっかい」
この先輩にこんなことを聞いた俺が馬鹿だったかもしれない。
確かに板垣先輩は、サッカーの腕前は、あの頃キャプテンだった佐野先輩をもしのぐほどだった。
誰もが憧れるボールさばき、テクニック、どれをとっても右に出る者はいなかった。
俺も、高校に入る前からそんな板垣先輩に憧れていた。
そして同じ高校に入学し、この人と一緒にサッカーができることがどれほど嬉しかったか。
しかし、サッカー以外の事となると、この人は何というか、とても、馬鹿だった。
勉強はもちろんだが、言動というのか、性格というのか。
それが可愛らしいこともあったが、その結果があの日の出来事につながったと思うと、やるせない。
その点、佐野先輩は成績も学年トップ、サッカーの腕前も、板垣先輩ほどではなかったが、プロレベルに高かった。
それに優しくて、後輩や仲間想いで、俺はこんな人たちとサッカーができることを誇りにさえ思っていた。
それなのに、板垣先輩も、佐野先輩も、俺の前からいなくなってしまった。
ぽっかりと、俺の心に穴が開いた。
楽しかったはずのこの部活が、一日にして暗い谷底へ突き落された気分だった。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
