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これまで欲しいものは、何でも手に入ったんだ。
だから今度だって、俺はこいつの心も、体も手に入れたい。
嫉妬心と、束縛心と、独占欲と、破壊衝動が、吉田仁人に対する恋心を育てていった。
こいつが壊れるところを想像するだけで、俺の興奮は冷めやらない。
きっと、その先にはとてつもない快楽が待っている、俺はそう信じていた。
そしてその結果、俺はこいつを壊すことに成功した。
滅茶苦茶にしてやった。
俺の目の前で、壊れて泣いている。
ついに、大願成就したんだ。
これで、俺は最高の快楽を手に入れられる。
これまでの事が全てあほらしく思えるほど、絶頂を迎えることができる。
そして、こいつの心も体も、俺だけのものになる。
「……」
だけどどうだろうか。
いざ壊れたこいつを目の当たりにしてみると、俺の心は、満たされることはなく、ただ虚しいだけだった。
何の喜びも、快楽も、興奮もない。
そりゃあそうだ。
だって、こいつは結局、最後まで俺のことは見てくれなかったんだから。
ただひたすらに、佐野の事しか見てないのだから。
こいつの心も、体も、全て佐野にしか向けられていないのだから。
それを確かめるために、佐野の体操服まで持ち出してこんなことをしたけれど、確かめるまでもなかったのだろう。
「何で俺が目の前にいるのに、お前はいつも俺のこと見てくれないんだよ！！！」
悔しい。
涙が出るほどに、ただ悔しい。
俺は結局、佐野にはなれないのだ。
こいつの心の中に、俺という存在を映し出すことはできないんだ。
「何でお前はいつも…俺の事を見てくれないんだ…。俺はいつも、お前の事見てるのに…！何で俺の物になってくれないんだよ！！」
こいつの体を激しく揺さぶっても、こいつは泣き崩れて何も答えない。
手を放すと力なく地面に倒れこみ、ただ泣いているだけ。
壊すのがダメなら、無理やりにでも奪ってやる。
吉田にはあんなこと言っておきながら、俺も盛りの付いた動物のように、本能と欲望をむき出しにしてこいつの上に馬乗りになり、何の抵抗もしない腕を押さえつけ、涙にくれるその唇を自分の唇でふさいだ。
こんなことで、今更こいつの心を振り向かせることなんてできないのは分かってる。
だけど、無理矢理でも滅茶苦茶でも何でもいい。
俺を見てほしかった。
ただ、それだけだ。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
