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その時の俺は、何でこんな奴に話しかけられなきゃいけないのかと、心底うんざりしたものだった。
せっかく一人に慣れようとして、一人を満喫しようとする努力をしていたのに。
それからというもの、そいつは毎日のように俺の机に来ては、何かと話しかけてくる。
そう言えば、こいつは学級委員だったか。
いつも一人でいる俺を更生させようとでもいうのだろうか。
初めのうちは、そんな風に思っていた。
だけど、気が付けば、俺はこいつの事ばかり考えるようになっていた。
こんな捻くれて、高慢ちきな俺に、他の生徒と変わりなく接してくるこいつに、俺の心はどんどんと惹かれていった。
つまりは、俺はこの学級委員である、吉田仁人という人間を、好きになったのだ。
信じられなかった。
俺が人を好きになるなんて。
まして、同性を好きになるなんて。
それから、俺はなんだか学校に行くのも悪くないなって、楽しいなって思う様になっていた。
こんな俺でも、ちょっと変われるかもしれない。
そう思った。
だけど、やはりそれも長くは続かなかった。
俺は気が付いたんだ。
何でこいつが俺の席にわざわざ来て、楽しげに話すのか。
それは、俺の前に座っている生徒と仲良くなりたいからなのだと。
こいつは、俺を見ている様で、俺の事なんて何も見てなかった。
ずっと、こいつは、俺の目の前に座る、サッカー部のキャプテンの事を見てたんだ。
それに気が付いたときから、俺の心は磨り減って、目減りして、ひどく荒れた。
憎しみに変わるかとさえ思った。
けれど、やはりこの好きという気持ちは、何一つ変わらなかった。
日に日に募るこの思い。
どうしようもないこの恋慕は、人を狂わせるには十分な力を持っている。
やがて、この思いは、更に大きくなり、ついには
「壊したい」
そう思うようになった。
こいつを、壊したい。
滅茶苦茶にしたい。
そうすれば、俺だけのものになる。
そうすれば、俺の心は満たされる。
捻くれた性格の俺が行きついた答えは、結局捻くれて歪んだ愛情だった。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
