＊＊ ＊＊＊＊ ページ22
＊＊＊＊＊＊＊
この俺、塩��太智の両親は、所謂小金持ちというやつで、俺はそれなりに裕福な家庭環境で育ってきた。
望めば、両親は好きな物を俺に買い与えてくれた。
話題のゲームも、出たばかりのおもちゃも、欲しいものは何でも手に入った。
一人っ子ということもあるだろうが、俺の性格が傲慢で捻くれるまでには、甘やかされ過ぎて育てられていた。
小学生の低学年までは、そのことで得意になっても、他人を見下しても、周りの同級生からは羨ましがられ、すごいと言われ、褒められ、相当ちやほやされた。
王様にでも、いや、いっそ神様にでもなったつもりでいた。
でも、それは長くは続かなかった。
小学校高学年にもなってくると、俺の傲慢さが鼻につく奴らが出てきた。
だからと言って、別にいじめられるようなことはなかったが、特に俺と関わろうとする人間は、この頃からほとんどいなくなっていた。
中学生になってもそれは変わらず、俺はずっと一人だった。
それでも俺は、こいつらは俺とは住む世界の違う人間なんだと、他人を見下すことを辞めなかった。
こいつらは下等な奴らだ、だから俺とは気が合わない。
そんな風に自分に言い聞かせていた。
本当は寂しいくせに、この性格のせいで、俺は強がることばかり覚えていった。
そして、時は流れて高校に入学し、俺はもう友達を作ろうとすら思ってなかった。
周りの人間はどうせ俺より下の人間で、関わる価値もない。
一人の方が楽だ、人と関わるなんて、神経を使って疲れるだけだ。
そんな風に思い込んでいた。
でも、そんなとき。
俺の前に、一人の生徒が笑顔で話しかけてきた。
眼鏡をかけていて、笑うとえくぼができる。
「ねえ、塩��君。一緒にお昼食べない？」
あいつの最初の会話はそんな感じだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
