＊＊＊ ＊＊＊ ページ41
＊＊＊＊＊＊＊
既に始業のチャイムが鳴っている。
俺は周りを見渡すが、まだ来ない。
朝も早くにスマホにメッセージが届き、『今日は朝練には行けない』とだけ連絡が来てから、何の音沙汰もない。
もしかしたら何かあったのでは。
こんなことは初めてだったので、いらぬ不安が募っていく。
俺がソワソワと落ち着きなく辺りをキョロキョロしていると、教室の扉が開く。
やっと来たか
と、思ったけれど、入ってきたのは担任の先生だった。
遅刻も欠席もなく、朝練だって誰より早く来て欠かさずやってきたのに。
「あれ？山中は今日休みか？何の連絡も聞いてないのに。誰か知らないか？」
まさかの無断欠席だった
やっぱり、何かあったのかもしれない。
電話したいけど、もう授業が始まってしまう。
俺は不安を抱え込んで全く集中できないまま、今日の授業が始まってしまった。
始まったばかりだというのに、早く次の休憩になりはしないかと、時計を何度も何度も確認する。
しかしその秒針は、壊れて止まっているんじゃないかというほどゆっくりに見える。
教壇の上に建つ教師の話など、右から左へ抜けるどころか、俺の遥か前方で雲散霧消してしまうほど、何の情報も俺の頭には入ってこない。
適当に周りに、人に、空気に、雰囲気に合わせてきた俺が、こんなに心配になるなんて、やっぱり俺は結構あのクラスメートの事を大事に思っていたということなのか。
それがわかったところで、この状況をどうにかできるわけでもない。
視線の先の時計の針は、さっきからまだ五分と経っていない。
それだけで俺の口からは、深い深いため息が漏れるばかりだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
