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一日の終わりを告げるチャイムが校内に高らかに鳴り響く。
将来何の役に立つのかもわからないような授業を終え、帰り支度を始める者、部活に急ぐ者、様々な人の声や音が一斉に教室を活気づかせていく。
俺も、自分の机に広がっている教科書やノートを適当にかき集めると、机の中にそれらを押し込んだ。
そして、机の横に引っ掛けていた部活動用のスポーツバッグを肩にぶら下げたところで、「舜太、お願いがあるんだけど」
と、隣の席のクラスメートが話しかけてきた。
その手には、一冊の分厚い本が握られていた。
この時点で、俺は察しがついていたけど、違ったら面倒くさいので、「どうしたん?」と、そのクラスメートに聞いてみた。

「この本、図書室に返しといてくれない?俺、忙しくてさ」
「あぁ、ええよ。丁度図書室通るし」
俺はそう答えて、その子から本を受け取った。
もちろん、図書室なんて通るわけがない。
けれど、こう言っとけば、角が立たないし、問題は何一つ生まれない。
まぁ、俺が遠回りして部活に行くだけの話だ。
そう、例え俺が少しぐらい損をしたって、そう言っておけば、平和に事が終わる。

「ありがとう舜太!お前って本当に良い奴だな!」

俺はその言葉に、適当に愛想笑いを浮かべて返事をすると、図書室に向かうために教室の扉を出ていった。

良い奴、優しい奴。

俺は結構そんな風に周りから言われる。
俺自身そんな風に言われて、嫌な気はしない。
けれど、皆本当にそう思っているのだろうか。
心にもない、上辺だけの言葉なのではないだろうか。
まぁ、俺自身も同じようなものだけど。
 

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作者名:milkssss | 作成日時:2020年1月11日 18時

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