ジュブナイリズム【M!LK】前編 (ページ10)

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どこの練習試合に行っても、「あの佐野さんと板垣さんが居た高校のサッカー部ですよね」って言われる。
そうだけど、それで俺達が負けたら「なんだ、大したことないな」って顔するの、やめてくれよ。
むかつく。
残された俺達だって、一生懸命練習して、努力して、頑張ってるんだから。
それだけじゃない。
顧問の先生だって、他の部活の先生だって、「あいつらが居ればこんな奴らに負けることなかった」って。
ふざけんなよ…。

「なぁ、舜太…。俺達ってこのサッカー部続ける意味ある？」

板垣先輩が来なくなって、佐野先輩も辞めてしまったあと、俺は同じクラスで同じ部活の曽野舜太にそう尋ねたことがある。
彼とは中学も一緒で、その時も同じサッカー部に入っていて、時に助け合い、時にしのぎを削り合い、友達として、仲間として、ライバルとしてずっと一緒だった。
そんな彼は、俺のことをどう思っているのか知らないが、「柔君と一緒なら、続けてもいいかなって思ってる。一緒に、もうちょっと頑張らへん？」
と、屈託のない笑顔でこたえてくれた。
何故だか、俺もその笑顔にはめっぽう弱いようで、もうちょっと頑張ってみようって思ってしまったのだ。
それが良かったのか悪かったのかは、今の俺にはわかるはずもないが。
それでも、俺はこいつのため、と言う訳ではないのだが、がむしゃらに頑張ってこの部活に取り組んだ。
そして、頑張った結果か、俺は今、この部活のキャプテンという立場をやらせてもらっている。
　