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遊具の手すりはまるで氷のように冷たい。
冷え切った俺達の心みたいだ。
そうか、この宮世君も俺と同じように、楽な方へ逃げたんだ。
俺と一緒か…。
だから、俺もあんな話をしちゃったんだなと、ふと思った。
俺の直感が、宮世君と俺に同じ匂いを感じたのかもしれない。
でもまぁ、宮世君の方が、俺よりひどい、のかな…。
他人の不幸を聞いて、またちょっと心が軽くなったのを感じ、俺も相当意地汚い奴だなと、再確認もできた。
「だいぶ冷えてきましたね…。先輩はそろそろ帰った方がいいんじゃないですか…？風邪ひきますよ…」
宮世君は、透き通るような白い肌で、にこっとほほ笑んで俺にそう言ってくれた。
なんだよ。
そんな風に言うなよ。
そんな風に言われたら、なんだか…
寂しいじゃん。
「なぁ」
「は、はい？」
「俺ん家来いよ」
「え…」
宮世君の大きな目が、さらに大きく見開かれた。
そりゃあそうだろう。
出会って間もない、こんな俺の家に来いだなんて言われても困るよな。
だけど、放っておけない。
たった数分話しただけだけど、俺の心をちょっとでも軽くしてくれたんだから。
「まぁ、何にもないけどさ、ここにいるより、ちょっとはマシだと思うよ」
「いや、でも…僕は先輩とは何の関係もないですし…そんなの迷惑になります…」
「何の関係もない…か…。なぁ、そんなこと言うなよな。俺達、もう友達だろ」
なーんて、良い人ぶったこと言って、何を言ってんだろうか、俺は―
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月11日 18時
