りんご飴が三十一個 ページ31
呪華事務所。
あのポートマフィアとの一揉めの後、私と虎杖ちゃん、伏黒ちゃんの三人は事務所に戻ることにした。
何でも憲紀ちゃんは遠くまで行っちゃったらしく、戻るのに時間が掛かるって。ドジっ子〜。
一階のソファに思いっきりダイブする。ソファのクッションに顔を埋める。何故か無意識に眉間にシワが寄って来る。
何故、人の為に命を懸ける私達が、皆だけが、こうも傷付かなければいけないのだろうか。
悔しい。それしか出て来ない。
虎杖｢Aさん何か飲むー？｣
『･･･ミルクティー入れて虎杖ちゃん！りんご飴と合わせてみたかったの〜』
伏黒｢いや、絶対合わないでしょそれ｣
『何ぃ〜？試してから言うのだよ伏黒ちゃん！はっ！まさか既に試した･･･！？』
伏黒｢んな訳無いでしょうが！！｣
虎杖｢仲良しだよなAさんと伏黒って！｣
伏黒｢何処が『でしょでしょ〜？』Aさん！！｣
こうやって、笑っている日々が。
もしかしたら明日いきなり崩れていくのかもしれない。
もしかしたら明日いきなり零息が私達を殺しに来るのかもしれない。
現実とは、脆いもの。
記憶は段々と色褪せて薄れ消え行くもの。
酸化していく夢の世界に等しいものだ。
なーんてね。
私にしては小難しいこと考えすぎたかな？
頭の糖分が切れる前にりんご飴を補給せねばならぬな。
虎杖｢Aさんはい！｣
『センキュ〜』
虎杖｢伏黒はいカフェオレ！｣
伏黒｢サンキュ｣
『え、伏黒ちゃんカフェオレ飲めるの？苦いじゃん、無理無理無理無理』
伏黒｢慣れれば美味いっすよ｣
『私より大人びたこと言わないでよ！』
パキッとりんご飴をかじる。
虎杖ちゃんの笑い声と、伏黒ちゃんのカフェオレを飲む音。私のりんご飴をかじる音。
いつもなら、此処に釘崎ちゃんもいて。きっと伏黒ちゃんにケチつけてるんだと思う。
いつもなら甘くて美味しいミルクティーに、まるで味が消え失せたかのように一瞬だけ味を感じなくなった。
虎杖ちゃんも、宿儺の指を二十本取り込んだら死刑で。伏黒ちゃんも、禪院家との関わりは腐れてる。
未来が決まってるから、運命を分かっているから。彼らはああして、無理でも笑うのかもね。
可愛い後輩のためだ。私も頑張るとしますか。
･･････うん。
りんご飴にはもっと良いパートナーがいるね。
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通りすがりの樋口 - あなた様は神様ですか！？更新楽しみに待ってます！頑張ってください！！ (2021年8月30日 12時) (
レス) id: 81c14bd0e3 (このIDを非表示/違反報告)
颯貴@東方＆文スト大好き人間(プロフ) - とっても面白いです！！続きが楽しみすぎる……！！！それでなんですが、第「三」勢力との描写ですが、ポートマフィア、武装探偵社の他に異能特務課もあるので、第「四」勢力とする方が良いかと思われます！ (2021年8月23日 9時) (レス) id: 61e081417a (このIDを非表示/違反報告)
YUKI - 更新ありがとうございます。この先の物語が気になってしまいます！無理しない程度に頑張って下さい。 (2021年8月20日 20時) (レス) id: e305977ea6 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 神作！神作！面白すぎです！ (2021年8月19日 23時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
夏雨(プロフ) - 凄い面白いです！これからも更新頑張ってください！ (2021年8月19日 15時) (レス) id: f0a52413d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kaoru | 作成日時：2021年8月18日 1時
