51 ページ1
田中くんは眉間にしわを寄せ睨むので
彼女はたじろぐ。
「悪りぃけど、金輪際
俺とも俺の周りの人間とも関わらないで」
「ち、ちょっとまってよ！
あんただって利用したら彼女のこと
捨てるんでしょ？
なのになんで…」
田中くんに早口で詰め寄る彼女と
一瞬、瞳が揺らいだ田中くんを
ただ、見つめるしかない私。
「捨てないよ、俺ら友だちだし」
普段の私なら喜んだだろう、
友達という特別なポジションを確立していることに。
でも、今は違う。
だって、
彼の返答は"利用してないよ"
じゃなかったのだから。
「…じゃあ、捨てられるのがオチね
あんたたちは誰も幸せになんかならないんだから！」
それだけ言うと彼女は
私たちの元から走り去って行った。
尻もちをついたまま、地べたに座りこんでいた私と
同じ目線になった田中くんは
「大丈夫…？」
気まずそうにでもいつものように優しくそう尋ねる。
『大丈夫だよ。
ありがとう助けに来てくれて』
「…俺のせいだから」
彼はしゃがみこんだまま頭を少し下げて
ガシガシと右手で髪をガシガシと掻いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2790人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
misiiika - 初めまして。面白くて一気に読んじゃいました！実は私の誕生日が12月24日なのでちょっと運命感じちゃったり…笑。おまけもおもしろかったです！お疲れ様でした。 (2021年1月2日 6時) (
レス) id: fc50c0ec64 (このIDを非表示/違反報告)
Runaaaaa(プロフ) - かりんとまんじゅうさん» ありがとうございます！拙い文章ではございますが、きゅんきゅんしていただけましたら幸いです。 (2020年5月31日 10時) (レス) id: 06d7182586 (このIDを非表示/違反報告)
Runaaaaa(プロフ) - FONさん» 安心して作品を作ることができます。本当にありがとうございます。FON様のこれからの執筆活動も陰ながら応援しております。 (2020年5月31日 10時) (レス) id: 06d7182586 (このIDを非表示/違反報告)
Runaaaaa(プロフ) - FONさん» FON様ご報告ありがとうございます。私も運営に報告していたのですが対応がなされず、打つ手がないのではと諦めていましたため、今回のご報告を聞き、安堵の気持ちでいっぱいです。FON様も盗作されていた中で、私の作品のことまで考えてくださり、ありがたく存じます。 (2020年5月31日 10時) (レス) id: 06d7182586 (このIDを非表示/違反報告)
FON(プロフ) - ないのでご安心くださいませ。こちらの作品大好きでしたので私の訴えで主様の作品も守ることが出来て勝手ながら嬉しく思っております。これからも執筆活動頑張ってください。応援しております。 (2020年5月30日 10時) (レス) id: 489a166a7a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Runaaaaa
| 作成日時：2019年11月30日 11時
