溺れる偽愛 (ページ48)

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『あっち行こ』

私の靴を脱がせると、手を引っ張りながら向かうのは彼の寝室だろうか。

あぁ…、今から全て始めるんだ。

そう思ったら

感情が止まらなくて。

引っぱられるままに足を進めると、寝室にたどり着いてベッドに座らせられる。

隣に彼が座ると、再び重なる唇に私は抵抗なんかしなかった。

そのまま押し倒されてもなお続く甘い口付け。

舌が入ってきてもどうしたらいいか分からなくて、ただただ樹くんの舌が絡む。

『俺のマネして』

そう呟いたのに頷くと、さっきよりも激しく絡み合う舌。

それを彼と同じようにすると満足気に少し笑った樹くん。

初めてする激しいキスに夢中になっていると、服の裾から入ってくる暖かい手。

それにびっくりしてしまって思わず体に衝撃が走る。

『怖い？』

「…ううん」

『優しくするから。安心して』

「うん…」

そんなに優しく笑われたら、自然と恐怖なんかなくなって。

それ以上に早く触ってほしいと思うようになった。

首元に顔を埋めながら私の服を慣れたように脱がしていく彼。

素肌に触れる樹くんの手が本当に優しくて、高揚感が溢れ出した。

『好きだよ。A』

そんな言葉を耳元で感じると、2人で初めての夜を明かした。

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