溺れる偽愛 (ページ37)

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ちらっと隣にいた紬を見てみると、開いた口で私と樹くんを交互に見ていて

紬「なんか…まだ続いてたんだ」

「なんで？」

紬「いや、田中くんのことだから放ったらかしにでもされてるんじゃないかと思ってたから」

悪い噂が目立っていた樹くん。

私と恋人になったといえど、その噂が影響して紬に心配をかけてしまっていた。

「うん…なんとかね」

紬「大丈夫なの？」

「え？」

紬「ほんとに…傷付けられたりしないでよ？」

不安そうに私を見つめる紬に、申し訳なさが芽生える。

唯一事情を知ってるからこそ、彼女なりに心配なのは分かっていた。

「大丈夫。思ってたよりもいい人そうだし」

紬「そうやって騙されてるだけじゃないの？」

「それならそれでもいいの。元々は恋愛を教えてもらうだけなんだから。それ以上もそれ以下もない」

だって3ヶ月だけだもん。

あと2ヶ月経ったらこの関係も終わる。

傷付けられたら傷付けられたで全然構わない。

紬「まぁ、自分で撒いた種だからそうなっても仕方ないかもね。これも勉強よ」

「うん」

私のブレない気持ちに賛同してくれたのか、前向きな意見を言ってくれた紬に感謝しかなかった。

そんな自分の意思が崩れるのは、もう少し先のこと。

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