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蓮「レポートやってんの？」
「うん。明日提出しなきゃいけなくて」
蓮「そうなんだ」
私が書いているレポートを覗き込んで話す彼に、異常な近さを感じて胸が熱くなる。
蓮「なにこれ」
「あっ、これは…」
近くにあったもうひとつのレポートを不思議がった蓮は、それを手に取ってじろじろ見出した。
蓮「写してんのかよ笑」
「ちょっとね」
蓮「…田中樹」
レポートに書かれている名前を見てそのまま呟いたことに急な緊張感を持つ。
蓮「これ田中樹って人のやつ？」
「うん…そう」
蓮「なんで？仲良いの？」
彼のその言い方は、まるで樹くんを知っているかのような言い方だった。
顔色を変えて軽く眉間に皺を寄せて私を見る蓮。
「ちょっと…たまたま？」
蓮「…へー」
私はやっぱり、樹くんと付き合ってることは言えなかった。
どこか納得のいかない表情をした彼は、レポートを手放し自分のノートを広げた。
蓮「…あいつには近付かない方がいいんじゃない？」
「えっ？」
ボソッと放った言葉が衝撃的で、私は思わず書く手が止まった。
蓮「あんまりいい噂聞かないし…っていうか、悪い噂しか聞かないよ」
「…」
蓮「学部一緒だったなんて知らなかったな」
「…うん」
蓮「気をつけなよ、A」
「わかってる…」
みんな口を揃えて言うのは樹くんの悪い噂。
それも分かってる。
そういう人と関わりを持ったのだから。
でもそんなのどうでもよくて。
だって、たった3ヶ月だけの付き合いなんだから。
誰にも言えるわけもない。
そのまま蓮の機嫌が良くなることはなく、しばらくして私の隣を静かに去った。
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作者名：ちゃぽ | 作成日時：2019年11月29日 17時
