溺れる偽愛 (ページ14)

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ー翌日ー

昨日の田中樹との出来事が頭に残ったまま教室に入ると、いつもの席に紬がいる光景が目に入った。

そうだ…今日紬いるんだ。

昨日のことがあったからかあまりにも嬉しくて、駆け足で彼女の元に近付いた。

「紬！おはよう」

紬「おはよ～」

「昨日いなくて寂しかった」

紬「え～可愛いかよ！」

紬は紬で忙しい日々を送っているのは知ってる。

毎日のようにバイトに明け暮れて学費を稼いでいるのだから。

それでもその疲れを見せない笑顔が印象的な紬に、私はどれだけ助けられているのだろう。

そんな時。

一部の女子のざわめきが耳に入ったことで、私は急に緊張感を覚えた。

だって、田中樹が来た合図だから。

恐る恐る扉の方を振り返ると、案の定昨日”そういう関係”になった田中樹が眠そうに目を擦りながら入ってきた。

不意に彼と目が合って緊張感が深まると、まるで獲物を見つけたような反応をして私の方に近寄ってきた。

『あ、おはよ』

「お…おはよう」

『そういえば連絡先、交換しよ』

「あっ…うん」

目の前の机に座って向かい合いながらスマホを取り出した彼。

それにつられて、私もスマホを手に取った。

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