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暖かい風に包まれて迎えた大学3年の春。
眠たい目を擦りながらつまんない授業に耳を傾けていた。
紬「ねぇA。新入生でイケメンくんいるかなぁ」
「知らないよそんなの」
紬「だってさ〜恋したいじゃん！」
そんな話をし出したのは、大学の中で1番仲の良い友達の紬。
学部が一緒の影響で親友にまで発展した信頼できる友人だった。
紬「Aだってそろそろ彼氏作った方がいいんじゃないの？」
「そんなこと言われてもさ…」
紬にそう言われるのも無理ない。
なんてったって私は、生まれてこの方1度も彼氏が出来たことなんてないのだから。
恋をしたことは何度かあったけど、それが実ることはなく。
周りの友達が彼氏作ったりしているのを、悔しながらに見てきたのだ。
慎「なんの話だよ！」
紬「慎太郎！入ってこないでよ〜」
慎「なんでよ、いいだろ別に」
慎太郎は同じ学部の友達で、たまたま座ってた場所が近くだったことから仲良くなった。
なんていうか、小学生がそのまま大きくなったような人で。
でも信頼は出来る数少ない男友達だった。
紬「合コンとか行ってみるー？」
「合コンかぁ」
慎「え、なにお前ら。合コン行くの？」
紬「うるさいなぁ。聞かないでよ」
慎「やめとけって！お前らモテないから」
「それは殴る」
紬「ふざけんな」
慎「ごめんって」
慎太郎に一蹴すると机の上に顔を伏せて目を瞑る。
なにやってんだろうな、私。
だって大学でなにが楽しみかっていったら恋愛じゃない？
なのにキャンパスライフの大部分を占める恋愛を無駄にして、3年目に入ろうとしている現実。
今まで何もしなかった自分に苛立ちを感じるほど。
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作者名：ちゃぽ | 作成日時：2019年11月29日 17時
