君の夢、僕と叶えよう《2》 (ページ35)

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授業が始まる直前。

「ゆかりちゃん」

『ん?黒田くん』

光輝「ちょっと話せない?」

黒田くんと1対1で面と向かって話すのは初めてかもしれない。だけど黒田くんの目は真剣で、断ろうにも断れない。

『うん、いいよ』

きっと話の内容は今のことだと思うけど、何を言われるのかは全く検討もつかない。

光輝「俺、ゆかりちゃんはみんなから好かれてずっと楽しい人だと思ってた」

『そんなことないよ』

光輝「うん、そんなことなかった」

『闇を抱えてない人なんていないんじゃない?わかんないけど』

光輝「1回電車で会って、美織含めて3人で話したことあったの覚えてる?」

『覚えてるよ』

光輝「その時思ったんだ、ゆかりちゃんは悲しい顔は似合わないなって」

『…私、悲しい顔してた?』

確かに美織と黒田くんが話しているのを見ると、苦しかった、泣きたくなることもあった。だけどそれに気付く人は1人を除いて、いなかった。