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パチッと目が覚めた
でも、いつも起きる時間より早い五時二十八分
二度寝をしようとしたけど、どうも寝付けない
頭の中でぐるぐると渦巻くのは昨日の会話
私にはお兄ちゃんの言うことが全く理解できなかった
”私”がいいと言ったお兄ちゃん
なんでなんだろう、なんで私がいいんだろう
「悩んでだって答えは出ないよな」
自分一人でこうやって悩むのは嫌い
聞かなきゃ、お兄ちゃんに聞いてみなきゃ
何もわからない
そう思った私は、ベッドから出てお兄ちゃんの部屋へと向かう
「お兄ちゃん!!」
東峰「えぇ!?俺今着替えてる途」
「あのさ」
東峰「俺の話無視!?}
「なんで、お兄ちゃんは私がいいって思ったの?」
うーん…とパンツ姿の兄は悩む
東峰「だってさ、Aバレー好きだろ?」
「え?」
東峰「バレー好きな奴に悪い奴はいない、って俺の後輩が言ってたんだよな…」
拍子抜けだった
もっと、こう理由があるのかなって思ったのに…
東峰「あとさ、Aって人をよく見てるよな」
「そう、なのかな…」
東峰「だから、A太ってるとか、可愛くないとか関係ないんだよ。
体型を気にする気持ちはわかる、でもさそれよりも自分の長所があるだろ?
欠点ばっかり気にするんじゃなくて、その長所を自慢していこうよ」
「長所…」
東峰「お前の長所は人をよく見てるところと、冷静なところ。
他にもいっぱいある、な?
だから、まずはそこから大切にしよう
ゆっくり時間をかけてもいいから、ゆくゆくは欠点すら愛せるようになろうや」
そう言って、お兄ちゃんは優しく私の頭をなでた
その優しい笑顔を見て泣きそうになりながら、私はぽつり、ぽつりと思ってることを話した
「…私はさ、ずっと嫌だったの、この体型が。
太ってるせいでお兄ちゃんに似てないねって言われるのも嫌だったし、痩せたいって思った。
痩せて、みんなみたいにおしゃれして可愛くなりたいって思ってた、それが普通だと思ってた。
でも、食べることは好きだったしそれをやめたくなかった。
こんな矛盾してる自分が嫌だった。
でも、いいよね…?私の好きに生きていいよね…?」
途中詰まりながら、でもそんな私を優しく見守ってくれるお兄ちゃんに嘘をつきたくなかった
背中をなでる、大きく優しい手
東峰「俺は、いつだってAの味方だからな」
パンツ姿でかっこつけるお兄ちゃんは、やっぱり世界で一番の兄だ。
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テディ(プロフ) - 初めまして!面白く読ませてもらってます!ただ、30の森然高校の場所ですが、神奈川ではなく埼玉なので直していただけると嬉しいです。 (2021年5月26日 14時) (レス) id: 67badbec1d (このIDを非表示/違反報告)
エビのフリッター - パンツWwwwww(´-ω-`) (2020年11月22日 15時) (レス) id: c78e05a8b6 (このIDを非表示/違反報告)
アリ。(プロフ) - 紗痲さん» こんばんは。コメントありがとうございます。これからものんびりと続けていきますので、よろしくお願いします。コロナにはお気をつけくださいね(^-^) (2020年4月24日 19時) (レス) id: c41ef356f5 (このIDを非表示/違反報告)
紗痲 - 続きを楽しみに待ってます。体調に気をつけて頑張ってください! (2020年4月24日 19時) (レス) id: b7f700878d (このIDを非表示/違反報告)
アリ。(プロフ) - あさりさん» こんにちは。コメントありがとうございます。これからもマイペースに更新していきますので、よろしくお願いします(^^) (2020年4月24日 14時) (レス) id: c41ef356f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリ。 | 作成日時:2020年4月3日 16時