肥満体型【ハイキュー】

22 ページ24

.


音駒の試合を見ているけど、烏野の試合も気になる

バレない程度にちらっと見てみるけど

ちゃんと見れないのが悔しい

そう思って歯ぎしりをしていると、ナイスキーという声が聞こえる

ダメだ、ちゃんと仕事しなきゃ



「山本がクロス…そういやクロス多いな…」



まぁストレートって相当練習必要だからな…

多分、山本も分かってるだろうし…



「でも、ノートには書かせていただきますよっと」



ノートのスペースに『山本クロス多』と書く

そして少し離れたところに『灰羽、ルール曖昧、レシーブ不安定、ブロック腕を振り回す』と書いておく

これでよし

他のメンバーのも見つけ次第書かなきゃな…

そう思い、音駒の試合に集中する

…研磨、たまにサボる…海さん、コースの打ち分け…

こんな感じで、試合を見ていて気づいたことを書き留めていく

失礼なことかもしれないけど、猫又監督には好きにやっていいって言われたから

私のしたいようにやる



「あ、烏野終わった」



この合宿に参加している学校の中で、一番弱いのはうちだ

だけど、あの変人速攻があれば勝てる

実際、森然には勝った

1セットもぎ取った



「でもあの変人速攻があっても、負けた」



インターハイ予選

私もお兄ちゃんの応援でこっそりと見に行った

変人速攻の話は聞いていたけど、目の前でそれが起こった時はびっくりした

それと同時に、烏野は全国に行けるかもしれないって思った

だけど、負けた

烏野の調子が悪かったようには見えなかった

あれが、烏野の120%だった

でも負けた

その時はまだマネをしていなかったから、気持ちは他人だった

でも、今は違う

私はマネージャーで、他人じゃないんだ


「だったら、もっと強くならなきゃ」



そのために、私ができることはなんだろう？



猫又「烏野は、バケモンしかいないのか…」



横でぼそっと猫又監督が呟く

私のことを指すのか、それともあの変人ふたりを指すのかは分からない

もし、それが私を指しているなら



「直接戦えないなら、他を探せばいい」



私にできることを、精一杯



猫又「…それでいい、選手もそうだがマネージャーも、常に成長していかなければいけないんだ

自分には何が出来る？そうやって常に考えなさい

きっと見つかるはずだ」

「…全部聞こえてました？」

猫又「ばっちりとな」

「…すみません」

猫又「貪欲なのはいい事だからな」



ニシシと笑う猫又監督が、少し可愛く見えた



.

23→←21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す