恋愛対象外 (ページ48)

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第98話偽物ページ48

私は夏油様の秘書である____だ。

夏油様は私達を家族と呼ぶけれど、私と夏油様は
皆と少し違う。

「それじゃあ、写真は後で現像しておいてね」

「分かりました」

と頭を下げ、皆が散り散りになり
私と夏油様の2人だけになる

するとその時夏油様が私の方へ振り向き言った

「____、今夜も私の部屋へ来るかい？」

ほらね、私達は皆とは少し違う

「…ええ。今日も参りましょう」

「そう。愉しみにしているよ」

ー
ーー
ーーー

私は夏油様が好きだ。
それは家族としての好きではなく、一人の男性として

「…っ、はぁ、あっ、夏油様…！」

「…く、」

狂ってしまいそうな激しい行為、

何度も何度も愛し合うが、私は知っている

「げ、とう様、お願いが…！」

「…何？」

「キス、して下さい」

恋人のように、唇にキスを落として欲しい
しかし、そう懇願しても彼は絶対にキスをしない

そして今日も、その返事のかわりに
最奥を突き、私の言葉を遮るかのようにそれが
続く。

夏油様、分かっています。
貴方が私を瞳を通して別の誰かを見ている事

この行為は愛を育むものではなく、
単なる彼の欲を吐き出すためだけだと言う事も

そして、必ず寸前で優しい声色で私の知らない
誰かの名を呼ぶ

けれどそれでも良かった
例えそれが偽物の愛だったとしても、それでもその時だけは私を求めてくれるから

「夏油様、」

「何？」

「…いえ、何でもありません」

言えるわけが無い。それは触れてはいけない
ものだと思うから。

だから、今日もまた自分の心に
その言葉を溜める

( Aさんとは、誰ですか？)

ーーーーー

夏油の秘書は発表されていないので名前が

_____ の表示になります。