恋愛対象外 (ページ5)

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第55話憎しみページ5

「ともかく、お前も生きてて良かった
傑も、しょうこには会えたんだな」

「あぁ治してもらった問題ない」

しかし、悟の冷めた表情に私は違和感を覚える
一体何があった？

「…私に問題なくても仕方ないな」

「俺がしくったお前は悪くない」

と、視線を下にする私に
彼女は理子ちゃんの亡骸を見て拳を握りしめている

なんだかんだ妹のように可愛がっていたAには
辛いだろう、涙も流したいはずだ、だがAの瞳から涙がこぼれることはなかった。

強いな、君は。

「…戻ろう 2人共」

そう言った瞬間だった

「化け物だ」

「人間の皮を被った化け物だ」

殺せ殺せと教徒共はAを囲い出す

『ちょっと離せよ…！私はもうヴァジュラ
じゃねーよ！！』

「殺せいずれ我々の驚異となる」

と、彼らは彼女を罵倒する
そんな状況を見て私も悟も目を見開いた

理子ちゃんが死してなお、それでも足りず
Aを殺せという教徒共

そして彼女の腕を掴んだ男に私はその手を振り払い
Aを背に立った

「彼女は君たち人間に無害だ
共に過ごしてきた私たちが何よりの証拠
Aは殺させない」

『傑…』

と殺意ある目で教徒達をギロリと睨めば
奴らは押し黙り、1歩下がる

「…傑、こいつら殺すか？」

「…悟」

悟の目はマジだ、その気持ちは痛いほど分かる
あのAを化け物呼ばわりし、殺せと罵倒する

今まで彼女はお前ら非呪術師の為に
自らを犠牲にしてまで戦ってきたというのに

だが、

「…辞めておこう悟無意味だ」

どうせ、元々問題のあった団体、じき解体される

「意味ねそれ本当に必要か？」

「大事な事だ特に術師にはな」

そうして、私達の任務は終わり
高専へ戻った