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下唇を必死に噛んでいると、
『おい、それやめろ』といきなり言われた。
『お前、それ癖だよな？』
「え、…何がですか？」
『気づいてねぇの？下唇噛んでんの』
「…」
驚いた。わたしの癖を樹さんはすでに見抜いていたことに。
『それもうすんな。我慢する必要なんてねぇんだから』
「…はい」
そう言われたせいでわたしは声をあますことなく発してしまった。
ジリジリと焼き尽くすような痛みを伴いながら体を貫かれたとき、ようやくわたしは女になった。
ゆっくりと優しく動く樹さんを見ると、わたしをじっと優しい顔で見つめていた。
そんな表情をされるたびに奥が疼きを増して、わたしのナカにいる樹さんの存在をぎゅっと抱きしめてしまう。
しばらくして緩やかな動きに慣れたわたしが甘い声を漏らした途端に
揺れが激しくなっていって、必死に樹さんの背中にしがみついた。
大切なものがこぼれ落ちていかないように。
何一つ取りこぼさないように。
どんなに恥ずかしい声も、恥ずかしい体勢も、そんなのどうでもよくなるくらいに気持ちが良くて、幸せで。
幸せすぎて、揺らされるたびにふわふわとした雲の上にいるような感覚だった。
初めは痛かったところが、感じる快楽が大きくなって打ち勝った。
目の奥がカァッ、と明るくなって。
締め上げるように脚の間に力が入って。
…波打つようにビクビク震えた。
ナカにいる樹さんが波打つのすらわたしを強く刺激して。
一気に力が抜けて二人してベッドに深く沈みこんだ。
息も絶え絶えで、天井を見るしかできなかった。
隣にいる樹さんを見たかったのに、息を整えるのに必死で整え終わったころには自然とまぶたが降りていた。
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くらら(プロフ) - uskさん» コメントありがとうございます。すごく嬉しいです。もう一波乱ある予定ですがエンドロールまでお楽しみいただければ幸いです。 (2021年9月15日 21時) (
レス) id: f815a3c4d3 (このIDを非表示/違反報告)
usk(プロフ) - 映画を見ているみたいなロマンチックなお話だな、と思っています！ (2021年9月15日 0時) (レス) id: 9866245c6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Clara
| 作者ホームページ：https://instabio.cc/30822109WE21W
作成日時：2021年9月3日 20時
