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「…何になさいますか？」
そう問うわたしをチラッと見た。
今はサングラスをかけていないから間近で樹さんと目が合う。
ぴりっとした、電気がまたわたし達の間を繋いだ。
『ペリエ』
「かしこまりました」
冷えたペリエを冷蔵庫から取り出し、栓を開けて、コースターの上にそっと置いた。
「Aちゃんギムレット2つ」
「了解」
慣れてきたカクテルの用意をする手が異様に震えたのは、樹さんが、わたしを見つめるその視線があったから。
いつも彼はわたしをこの視線で見つめる。
勘違いしそうになるからやめてほしい。
わたしたちは、友達、友達、友達。
カクテルを作っては届け、残りあと15分で閉店っていうところだった。
「Aちゃん、あと一杯だけいいー？」
目の前の3人組がそう言った。
まじか…本当はそろそろお会計してもらえれば助かるんだけどな、なんて。
「何になさいますか？」
「あの、上の方にあるのってバーボン？」
「はい、そうですよ」
「じゃあそれで」
「トワイスアップでよろしいですか？」
「うん、お願い」
参ったな、あの一番上の棚は高くて取れないからいつも他の背の高いホールスタッフさんや、高地くんにお願いしている。
けど今日は料理のオーダーも多くて高地くんはキッチンに缶詰状態だ。
周りを見渡すと小さな台を見つけたから、それに乗り一番上の棚に置かれているバーボンを取ろうとしたときだった。
カシャッと音がした。小さくだけど。
周りの喧騒で聞こえないくらいの小ささの音。
ん？空耳？
そんなわけない、そう思ってそーっと見下ろした。
…あぁやっぱり。
そうだと思った。
元々この店のTシャツはかなり短めでちょっと腕を上げるとお臍が容易に見える。
加えてショートパンツなんて。
3人組が下からスマホのカメラでわたしの姿を激写し、ニヤニヤしていた。
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くらら(プロフ) - uskさん» コメントありがとうございます。すごく嬉しいです。もう一波乱ある予定ですがエンドロールまでお楽しみいただければ幸いです。 (2021年9月15日 21時) (
レス) id: f815a3c4d3 (このIDを非表示/違反報告)
usk(プロフ) - 映画を見ているみたいなロマンチックなお話だな、と思っています！ (2021年9月15日 0時) (レス) id: 9866245c6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Clara
| 作者ホームページ：https://instabio.cc/30822109WE21W
作成日時：2021年9月3日 20時
