天才外科医とアイドル3 （Y,C）

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『職員証がない？』

何で？あれないと入れない…。

白衣の中にあるのかな？

いや、いやいや。それはない。

伊野尾「どーしたの？」

『…い、無いの。職員証が』

私服のポケットにも入って……ない。

『はぁ、やっちゃったぁ〜！！』

あっこの病院、そういうのに厳しいし。

そもそも、無くすと色々マズい。

そう思うと、血の気が引く。

丁度その時、インターホンが押された。

有岡「誰ですか？」

「え、有岡さん？」

有岡「男？」

「明莉ちゃん、いる？」

知念「明莉に用ですか？」

ちゃん呼び。

これはあいつに違いない。

山田「不倫してたの？」

全力で首を横に振る。

「まあいいや、職員証。落ちてたから」

『！』

何であいつが拾うの？

「だから、開けてくれないかな？」

『そっちに行くよ』

急いでエントランスに向かう。

『何で貴方が？』

「ちょいちょい。今は弁護士、白雪成宮ですから」笑

『職員証は？』

「これ。俺で良かったね。変なやつじゃなくて」

『貴方も変な人です』

「ふふ、あ、結婚おめでとう」

『え？』

「え、何？覚えてたの？」

『当たり前でしょ。一応助けて貰ったし』

「じゃあ、式に呼んでよ」

『疑わしい』

「バイバイ。仕事あるから」

あいつから「おめでとう」なんて言葉初めて聞いた。

そして、弁護士と聞いて安心した。

はぁ、なんなんだろ。やっとリセット出来ると思ったのに…。

いきなりあいつが現れて。

しかも式に呼べって。


有岡「明莉ちゃん、正直に話してごらん」

家に帰るなり、質問攻め。苦笑

『大学の教授だよ』笑

とっさに吐いた嘘。

それには騙されてくれた。

安心安心。

6時30分ちょっと前。

ゆっくりくつろごうかな？

知念「皆帰って良いよ〜」

薮「俺らの扱い酷くない？」笑

『仕事の時間までゆっくりしていったら？』

中島「明莉ちゃんが言ってるんだから、良いでしょ？」

知念「はいはい。どーぞ好きなよーに」

不機嫌になった侑李。

首をかしげながら仕事部屋に入る。

『……え、何これ』

仕事部屋が散らかってる。

有岡「あー!!」

薮「ごめん。散らかしちゃった」

『ううん、おかげで探したいもの見つかったよ』

絶対に忘れてはダメなもの。

『脳死判定…。愛夏ちゃんの』

これだけは絶対に何があっても忘れちゃあダメなもの。

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