#16「優しい」 ページ17
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「社長のばか…変態」
廊下の端っこの方で、窓の外を眺めるふりをする。
はじめて秘書っていう大事な役割任されて、浮かれてたのかも。
秘書ってだけで、別に心の距離はそのままなのに…
あの日社長室から聞こえた女の甘ったるい声を思い出す。
あんな可愛い声の子がいいのかな。
顔も可愛いんだろうな。
社長も、あの子が秘書なら…いいって思ってるのかな。
わたしみたいに面倒くさい女は嫌いかな…
わたしもあの女の子みたいになれたら、社長から気に入られたのかな。
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もしかして…わたし、嫉妬してる…?
あの女に嫉妬しているのかな。
でもどうして嫉妬なんか…
変な考えがぐるぐる回る。
社長のことをかんがえたくないのに、ふとした時すぐに思い浮かぶのは社長。
…謝りたい。
わたしは俯いていた顔を上げて走った。
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「しゃちょっ…」
見つけた。
あの赤髪は…って、え?
『やめろってお前、離れろ』
♡「いーじゃん、昨日は抱いてくれたでしょ?」
べたべたくっつく、女の子。
かわいい…同性でも見ほれてしまうほど。
「あの、声って…」
昨日聞いた声だった。
♡「あ、秘書の人いんじゃん。見せつけようよ〜、ね、ちゅーは??」
『…めろよ、触んな』
社長の声はボソボソしてて聞き取りにくい。
けど、さっき女の子と目があってしまった。存在に気づかれた。
女の子は社長の前に回り込み、そしてこっちを向いた。
にやっと嫌らしく笑った女の子は、そのとたんキスを始めたのだ。
…え
みたくないけど、みてしまう。
社長もそのキスに答えてる。
…だめだ、あたし
涙が溢れてきた。
秘書ってだけなのに…今までなんも関わりなかったのに…
「こんなんなら…秘書やらなかったらよかった」
思った以上に大声で言ってしまった。
『A…!!』
駆け寄ってくる社長。
呼び捨てで初めて呼ばれたのも気にせず、わたしは走ろうと咄嗟に踵を返した。
でもわたしって反射神経悪いから。
すぐに追いつかれて、手首を掴まれる。
♡「ねえ樹!!?そのこはただの秘書なのよ?」
そうだ、わたしはただの秘書。
『だからなに』
♡「え」
『秘書だけど、秘書だけじゃない。』
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ぽむりんこむ - yukina♪さん» 私と歳もあまり変わらないですね、自己ベスト出せましたか? (2019年10月8日 20時) (レス) id: 6385c24a4a (このIDを非表示/違反報告)
yukina♪ - 明日陸上本番なんですよ!出来れば自己ベスト出せるように頑張ってきます! 作品楽しみにしてます♪ (2019年10月2日 22時) (レス) id: bc786ab589 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむりんこむ - I LOVE sixTONESさん» 作品のシリーズ一覧で飛べます (2019年9月20日 20時) (レス) id: 50ff4b13a1 (このIDを非表示/違反報告)
I LOVE sixTONES - ぽむりんこむさんへ 小説移行できません!! 確認してみて下さい。 あと、応援してます! (2019年9月18日 15時) (レス) id: ee4aafbc89 (このIDを非表示/違反報告)
yukina♪ - はい!応援してます! (2019年9月15日 22時) (レス) id: bc786ab589 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽむりんこむ | 作成日時:2019年8月6日 19時