僕たちの帰る場所3 (ページ47)

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もちろん、みんなもその思いは同じだった。

sk「ついこの間それで反省したのに、もう忘れたのかよー」
前回の1番の被害者である佐久間が早速ふてくされてみせる。

fk「そんなことしたって誰も喜ばねえぞ」
ru「ってか普通に、舘さまいなくなったら料理のクオリティ…」
iw「ラウそれはそれで失礼だぞ」
sk「まあ事実といえば事実だけど…とにかく！誰も欠けちゃいけないってことよ」

ラウの言葉に笑ってしまって注意になってない照。佐久間に至っては納得しちゃってるし…まあ俺もラウに完全同意で人のことは言えないけれど。

それはともかくとして、ラウの言葉をきっかけに、やっとみんながいつもの調子を取り戻してきたのは良いことだ。
純粋なのかわざとなのかわからないけれど、最年少らしい無邪気さが場を救うこともある。

そして俺はやっぱり、新しい仲間を含めみんなで作り上げて来たこの空気感を失いたくない。でも、涼太がやめたらそれも変わってしまう。照がいなくなった時みたいに…

そんなの悲しすぎる。

ab「見てみ？翔太のこの目」
fk「あーあ、舘さまがあんなこと言うから」
ab「幼馴染さんがお怒りですよ？」

そう言っていたずらっぽく笑う2人と対照的に、突然のフリに戸惑う俺。

確かに、さっきあからさまに冷たい物言いだったのは悪いと思ってる。だけど、そんな言い方しなくても…いや、これは逆に涼太を説得するチャンスなのか？

「ダメだよ涼太！涼太の料理食べられなくなったら、俺生きていけないんだからね！」
「「フゥ～！」」

とっさにそう言ったけど、よく考えたらこれ、めちゃくちゃ恥ずかしくない…？
現にみんなに冷やかされてるし…

「あーもう！涼太のせいだからね！」
いたたまれなくなって悪態をつくけれど、拗ねちゃって可愛いなんて言われて逆効果。
そういや前回も結局、俺が下手なモノマネで弄られる流れになったんだっけ…俺も俺で変わらないな。

(勘弁してよ…まあ、別にいいんだけどさ)

俺の心の叫びは、みんなの作り出す優しい空気に溶けて消えていったのだった。