僕たちの帰る場所3 (ページ45)

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fk side

阿部ちゃんの冷静な対応のお陰で、女性も最後には大人しく話してくれるようになっていた。
一通りの話を終えた俺たちは、他のお客さんが居なくなってがらんとした店の中、女性を入り口まで見送り、姿が見えなくなるまで頭を下げる。

そうして店に戻った途端、阿部ちゃんがへなへなと椅子に体を預けた。相当気を張っていたのだろう。
そんな阿部ちゃんと俺の前に、舘さまがコーヒーを置いてくれる。

ab「はー、癒される…」

頑張ってくれた阿部ちゃんに比べ、ほとんど何もしていない名ばかり店長の俺。その不甲斐ないことといったら…

「阿部ちゃん、任せきりで申し訳なかった。本当に助かったよ」
ab「そういう時はありがとうでしょ。それに、ふっかが隣であの人のことを気遣ってくれてたからこそ、俺は冷静に聞きたいことが聞けたんだから」

こんな時でも俺を立ててくれる阿部ちゃんは本当に出来た人だ。

dt「俺からもごめん。料理に何かあったなんて、それ完全に俺の責任だよね」

ab「まだ決まった訳じゃないよ。というか、話を聞く限り、うちが原因の可能性は低いと思う」

sk「やっぱりねー。
ほらふっか、舘さんも、落ち込まないの！これからいっぱいやることあるんだからね！」

阿部ちゃんの言葉に、佐久間が援軍を出す。

佐久間の言う通りだ。
調査自体にも手間がかかるし、結果が出るまで店を開ける訳にはいかないから、店の収益にも響く。
みんなにまた負担をかけてしまうと思うと辛いけれど…

iw「ま、そんなに心配すんなって」
俺の不安を察したらしい照が何でもないことのように言ってくれるから、ちょっとだけ気持ちが上を向く。

「とりあえず、状況報告と行きますか…」
俺は阿部ちゃんとともに、今回の顛末と今後の展望ををみんなに語り始めた。