僕たちの帰る場所3 (ページ35)

今日:9 hit、昨日:29 hit、合計:317,293 hit

. ページ35

mg side

極め付けだったのが、翔太くんと佐久間くんによる珍メニュー(もとい創作メニュー)ラッシュ。

「ねえ翔太くん、これ…なに…？」
nb「見たまま。アイスの中にグミが入ってる。韓国で流行ってるらしい」
「えっ…あ、でも案外いけるかも」

iw「佐久間さ、パフェって何でも乗せればいいわけじゃないと思うぞ」
sk「…反省してます」
fk「舘さまもよく律儀にこれ作ったよね」
dt「頑張っちゃった。ちょっと後悔してる」

ここまで来るとまさにカオス状態。
そして全ての試食が終わる頃には、みんな疲労困憊だった。

sk「美味しかったよ？美味しかったんだけど…さすがに辛い…とりあえず、俺の混ぜこぜパフェは却下で。すいませんでした」

いつも元気な佐久間くんや、甘党と言われる照くんでさえ、何となく顔色が悪い。

しかしそんな中、けろっとしている人が約1名…

ab「あー、楽しかった！こんなに甘いの食べられるなんて幸せー！」

本気で幸せそうな顔の阿部ちゃん。確かにお菓子好きとは聞いていたけど、ここまで極端な甘党だったとは。
みんなも信じられないという目で阿部ちゃんの方を見ている。

阿部ちゃんと俺は味覚が似ているって思っていたけれど、撤回せざるを得ない。
おそらく阿部ちゃんは俺の数倍甘さに強い。

nb「頭いい人ってさ、糖分の消費量が半端じゃないのかもな…」
翔太くんがボソッと呟いた一言に、みんな何となく納得の表情。

fk「そういや中学とか高校の時も、阿部ちゃんってお菓子食べまくってたイメージあるわ。お菓子の申し子とかって異名ついてなかったっけ」

ab「あったね、懐かしいー！翔太が俺のお菓子よく勝手に食べてたよね」
nb「ふははっ。ごめんって」

dt「2人ともそれでなんでそんなに細いの…」
舘さまの嘆きにまたみんなで笑い、ようやく試作会の幕が下りた。

そしてこの試食会の楽しくも苦しい思い出は、しばらくの間俺と康二の酒の肴になったのだった。