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その次の定休日、こっそりZuhauseのキッチンを借り、舘さんにプレッツェル作りを教えてもらうことになった。
いつもと違ってすごく静かな店の様子になんとなくソワソワしながら、早速作り始める。
薄力粉に強力粉、オリーブオイルに塩、胡椒。ボウルに材料を入れ、ひたすらこねていく。
「やば、これ明日筋肉痛になっちゃうかも…」
我ながら情けないことを言っているなと思うけれど、実際お菓子作りって結構体力を使う。
特にプレッツェルの生地は硬めだから、こねるたびに普段は使わない筋肉を使っている感じだ。
でもその分、彼女への想いを込められるような気がする。
dt「うん、いい感じにまとまってきてる」
そして、舘さまがちょっとしたことでも褒めてくれるから、大変な作業もなんだか楽しい。
dt「よし、じゃあ今度は形作るよ」
「うわ、これ結構難しい！」
苦戦する僕を尻目に、スルスルと形を仕上げていく舘さま。僕が不器用なのか、彼が手慣れすぎているのか…翔太くん、どれだけ作ってもらったの？
dt「あんまりちょこまかいじると歪んじゃうから、ちょっと長めに持つといいよ」
アドバイスをもらうものの、なかなかうまく行かない。今度家でも練習しなくちゃ。
なんとか成形を終えたら、並べてオーブンに入れて待つこと15分。いい香りが漂ってきたところで、ピーッと焼き上がりを知らせる音がする。
dt「この瞬間が一番ワクワクするんだよね」
そう言うと、目を閉じて深呼吸する舘さま。
その横顔を見ながら、なんだか画になるなぁなんてぼんやりと考える。
この店に来てすぐに気づいたことだけれど、ここのスタッフは一人残らずかっこいいよね。
僕もみんなみたいに魅力的な男になりたいなぁ…
dt「さあ、開けるよ。せーの」
「…わあっ、綺麗に焼けてる！」
dt「うん、これは上出来じゃない？」
試しにひとつ食べてみると、素朴でありながらどこかお洒落な味がした。これなら、甘いものが苦手な彼女にも気に入ってもらえそうだ。
「ありがとう、舘さま。僕、頑張ってくるからね」
dt「いい報告待ってる」
舘さまの力を借りたんだもん、絶対に告白成功させてみせるんだ。
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年2月22日 11時
