僕たちの帰る場所3 (ページ8)

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fk side

メールでやりとりを続けるうち、相手は本当に恋人になったような気分なのか、自宅にも店にも色んなプレゼントが届くようになった。
花や香水、服やスニーカーまで色々。
気持ち悪くて身に付ける気にもならなかったけれど、捨てようとすればまたメールで攻撃される。

しかもその多くはわざわざ盗撮した写真入りだったから、他の人に開けられるわけにはいかない。
だから俺は、常に気を張らざるを得なくなり、次第に疲弊していったんだ。

バレンタインに届いた例の箱もその一つだった。
まさかこんなところにまで登場すると思っていなかったから、見つけた瞬間思わず顔が引きつってしまう。

しかも、運悪く翔太が興味を示している。
もし、翔太が箱を開けてしまったら、俺の状況がバレてしまう。
それに、写真を隠してから出したとしても、俺宛のプレゼントが翔太に食べられたことがあいつに知られてしまったら…
どちらにしても、翔太は無事ではいられないだろう。

そう判断した俺は、とっさにその箱を脇によけ、後で気づかれないように処分することにした。
これだけ大量のチョコがあるんだ、一つくらい先に食べてしまったと言っても、きっと誰も気にしないだろうと思ったからだ。

けれど、俺のその考えは甘かった。
照と阿部ちゃん、2人もの仲間にそのことを怪しまれてしまったんだから。