僕たちの帰る場所3 (ページ6)

今日:10 hit、昨日:21 hit、合計:317,246 hit

. ページ6

fk side

それからも、俺のもとには定期的に会いに来ているかのようなメールが届き続け、そのうち文面もエスカレートして
『今日もかわいかったね』
『愛してる』
などと届くようになった。

メールの内容と、来る時間などから考えるに、どうやら相手は店に来ているお客さんの誰かで、俺に好意を持っているらしい。
だが、その正体は今もわからないままだ。

気持ち悪く思いながらも、しばらくは無視し続けていたのだが、

『どうして返事をくれないの』
『こんなに好きなのに、ひどい』
なんて喧嘩腰のメールも増えたり、返事が欲しいと直に言われるようにもなって、無視もそろそろ限界に来ていた。

それに、気のせいかもしれないけれど、最近誰かにつけられているような感じがする。

おそらくお客さんが相手だからということで、今まであまり大ごとにならないよう隠してきたのだが、俺はいよいよ不安になってきていた。

そして、その不安に呼応するように、家に帰った途端届くメール。

『おかえり。今からお風呂？』

それを見て、俺は震え上がった。
やはり後をつけられていたのだろう、ついに店だけでなく、家まで割りだされたということだ。

(そろそろ警察行くしかないかな…)

そう思った俺は、翌日の営業後、急遽警察に向かうことにした。
珍しくそそくさと帰り支度をする俺を見て、

dt「どうしたの、ふっかがご飯も食べずに帰るなんて」
と疑問に思う声も上がったりしたけれど、この際仕方がないだろう。

「ああ、今日はちょっと疲れたから、帰って休むわ」
そういうと、俺はみんなと目を合わせることもなく店を後にした。